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おージイジ街を行く『森の石松』
 
               (2005/5/8)

 自宅から徒歩15分の公園の一角にある 墓地のそばのベンチに
大小6匹の野良猫がいて 私の姿を見て真っ先に顔を出すのが若干
毛並みの良い黒猫の「アラジン」で その後から追っかけて来るの
が三毛猫風「ついで」そして一番気になる存在が片目を烏に突つか
れたらしい「石松」で 後の三毛猫3疋は遠巻きに様子を見ている。
 
 この石松 烏に影響を受けたのか仲間にも遠慮を感じさせ行動が
遅れ気味だ。それでも 5月頃は下駄の音を荒げて公園に向かうと
人気の無い人家からニャ〜と飛び出して身をすり寄せて来ていたの
だが しばらく顔を見せない日が続き 案じていると ひょっこり
顔を覗かせた。最初痩せぎすだった石松が栄養を身につけるとアラ
ジンそっくりになり 見分けがつかなくなった。この二匹兄弟かも
知れないと よくよく見れば避妊手術を受けたメス猫だった。
 片目で森の石松としたのだが「石子」では様にならず 呼び名は
石松のままである。
 そして 7月のある日 公園の手前の空き地で アラジンついで
大人猫、なじみの無かった子猫二匹までが様子窺いに来て久し振り
にフルメンバーが揃った長閑な昼間を迎えたのだった。今日の石松 
片目のヤニも無く 元気にアラジンやみんなとじゃれあって平安で
したね。
 それにしても 猫の表情をスケッチしようにも 勝手気侭に目紛し
く動き回っており どれも綺麗好きなのかどうか 舌で丹念に吾が身
の毛をなめ回して毛繕うときの集中力は 辺りの気配を敏感に感じ
ながら食をすすめるおどおどした姿は無く 我が身を愛おしむ猫様の
あられも無いポーズに しばし時間も止まります。
 
 「猫の面倒を見るのなら 連れて帰って自宅で飼うくらい徹底して 
都合のいいときだけ構うのは止めて貰いたい 墓を見てよ 猫の糞で
一杯で迷惑してんだから!」公園の墓を守る管理人や植木師と 毎日
猫達に食事を差し入れたり去勢手術代を区と折半にしたりするボラン
ティアの人たちとのせめぎあいの中で生き延びている猫達にも 私の
ような俄猫好きは迷惑だろう。
 死んだ祖先より 生きている動物だろうと呟く 墓も持たない先祖
不孝者としては 猫達に終の住処を与えたまえと祈るばかりです。

 8月に入って また石松の姿が見えません。


  





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